大間「やもめマグロ漁師」細間さん。亡き妻と愛娘2人のために。
大間の「やもめマグロ漁師」こと、細間正樹さん。
若いときはイケイケの漁師で、
マグロの釣果もあり奥さんと愛娘2人もいて、
順風満帆の生活でした。
でも、奥さんが急に亡くなってしまうことから、
その生活は一変してしまいます。
漁師という仕事以外にも家事や育児を、
懸命にこなしてきました。
この記事は細間正樹さん一家について、
独自にまとめています。
大間の「やもめマグロ漁師」こと細間正樹さん
若い頃の細間さん
2020年では細間正樹さんは41歳です。
マグロ漁師の特番では当時28歳から取材を受けていました。
当時の恰幅の良い細間さんと、
綺麗な奥さんや愛娘2人に囲まれている姿がとても印象的でしたね。
マグロの釣果も冴えていて、
まさに順風満帆の漁師生活を送っていました。
ただ、そんな幸せな生活から、
一変してしまう出来事が細間さんに迫ります。
奥さんの急すぎる他界
2013年に最愛の奥さんが急に他界されてしまいます。
なんの前ぶれもなく、
心の準備すらできる間もないままに、
くも膜下出血による突然すぎる別れでした。
「朝、仕事さ行って・・・、
仕事から戻ってきたら(妻が)死んで帰ってくるんだもん。」
「本当は毎日泣いてるんだよ、奥さんの写真眺めて。」
細間さんは当時、涙ながらにそのように語っていました。
心労から体形も別人のように痩せてしまっていました。
生活が一変する
奥さんの他界によって、
細間さんの生活は一変していきます。
マグロ漁という仕事以外のほかに、
炊事や洗濯、家事と育児がメインとなっていきます。
男手ひとつで娘2人を育てることがいかに大変なのか。
毎朝の娘2人に朝食を作って学校まで車で送り、
自宅に戻ってからは黙々と、
掃除や洗濯をこなしている細間さんの場面がありました。
「細間さんの心を支えるものは?」と問われると、
「子供だよね・・・。一人前にしようなんとか頑張ってるだけだよ。」
最後に「マグロ獲るべし! ワイ(俺)はそれしかねえんだ。」
覚悟を決めていた細間さんがとても印象的でした。
マグロ漁に出るのはお昼前
家事と育児がメインになっているので、
マグロ漁に出られるのはお昼前になってしまいます。
マグロの一本釣り漁は朝の日の出の時間から、
夕方の日の入りまでと時間が限られています。
漁師さんが特に朝早くに仕事している印象の理由は、
決められたルールが必ずあるからです。
ただでさえ難しいと言われているマグロの一本釣りでは、
漁ができる時間が短いと釣果も厳しいでしょう。
細間さんもなかなか釣果に恵まれることができませんでした。
細間さんの苦渋の決断
愛娘2人を預けることに
マグロの釣果が出せないと、
家計にも当然と影響が出てきてしまいますね。
2017年に細間さんはやむを得ずに、
愛娘2人を奥さんの両親に預ける苦渋の決断を下します。
「早い話、(娘たちを)見てられない。朝の5時6時に(漁)に行くんだもの。
ひとりではやっぱり限界がある。」
漁師という仕事を続けていくためには、
細間さんは決断せざる得なかったのでしょう。
「獲れば大きいったって獲らねば地獄。それがマグロ漁。」
という細間さんの語りを聞いていて、
それがマグロ漁師さんの現実なんだなと改めて思いましたね。
また、「もしゃ丸」という名前の猫を飼い始めていました。
少しでも寂しさを紛らわしてくれる存在のようですね。
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亡き妻と愛娘2人ために
細間さんの誕生日に愛娘2人が手料理で祝福
2019年では細間さんは、
娘2人と離れて暮らすようになって2年が過ぎていました。
細間さんの40歳の誕生日に、
娘さん2人が手料理で祝ってあげている場面がありました。
普段魚ばかり食べている細間さんを気遣って、
肉料理やケーキなどかなり豪華な食卓になっていましたね。
離れて暮らしているとはいえ、
やっぱり親子であるし自然とみんな笑顔になっていましたね。
娘さんが亡くなった奥さんの仏壇に手を合わせて、
手料理を供える場面は本当に胸が熱くなりましたね。
長女の受験と志望動機
長女の愛華さんは高校3年生になり、
看護師を目指して受験することになりました。
その志望動機が、
「ママは具合悪いとか言ってくれなかったから。
(母の具合に)気付いて早めに病院に言ってもらったり、
心のケアをしたり色々したかった・・・。」
いつも側にいながら、
大好きなお母さんの異変に気付いてあげられなかった。
もし自分に医療の知識があったら・・・。
そんな思いから看護師になることを決意されたようです。
見ていてとても心を動かされました。
生きるのにはお金がかかる
細間さんの船は19年前に父親から譲り受けたものです。
ただ、いろいろと整備が必要な状態になっています。
いざマグロが食らいついてきたときに、
マグロを失神させる電気ショッカーが作動しなかったり、
船のエンジンの調子も悪いようで・・・。
「船のエンジンも直したいし、オーバーホールするのに200万円だ。」
電気ショッカーは配線が腐っていたようで、
新品に取り替えたとは言っていましたが。
でも、船の燃料代も常にかかるでしょうし。
また、長女の受験費用や学費も大きな負担となっていきます。
長女の受験合格
久しぶりにマグロを釣り上げた細間さん。
86キロの大物のマグロでした。
ただ、1キロ当たり3000円だったようで、
諸経費を引いて収入にすると20万円ほどです。
そんな中でも長女の受験が見事に合格します。
しかし実際に入学金や学費、
さらには下宿代まで重くのしかかっていきます。
手放しでは喜べない細間さんが居ました。
「これはもうマグロを獲るしかない。」
そんな細間さんの叫びが聞こえた感じがしましたね。
亡き妻の墓前で
長女の受験合格の報告をしに、亡き妻のお墓に親子で訪れます。
細間さんは同時に、
「マグロ獲らせてけろと拝んだべ。金かかるだもん、これから。」
亡き妻に語るように拝んでいました。
覚悟をしっかりと背負って再びマグロ漁に出かけます。
エサはトビウオを主に使用されていますね。
その日の津軽海峡は珍しく静かでした。
これから起きる死闘の前の静けさか・・・。
嫁が獲らせてくれたんだ
「マグロ喰ったぞ!」
マグロがエサに喰いついたとき、必ず聞かれるこの言葉。
細間さんの仕掛けについに当たりが。
船を急加速させて針をマグロに食い込ませる。
テグスの引きからかなりの大物だと感じる細間さん。
大間のマグロは知恵があり、
船体の下に潜り込んでテグスを船に擦りつけて切ろうとする。
切れないように慎重にテグスを手繰りよせ、
電気ショッカー投入する。
失神したマグロにモリを突いた!
その大きさに細間さんも上げてみてビックリ。
127キロの大物のマグロで、101万円の値が付きました。
「嫁が獲らせてくれたんだ。愛華さ金かかるんだもの。」
海の神様や仏様って本当にいるんですね。
奥さんのおかげだと筆者も感じて本当に感動させられました。
細間さんの笑顔が忘れられませんね。
2020年の細間さん
体格が戻りつつある
激やせしていたころより、だいぶガッチリしてきた。
なんだかホッとしました。
疲労感はさすがに表情に現れていたりもしますが、
体格も以前の勢いのある細間さんに戻りつつあったので。
でも、ちょっとお酒の量が増えちゃったのかな・・・?
なんて若干思ったりもしましたね。
覚悟をした人間は何者よりも強い。
愛娘2人を一人前に育てる上げるために、
なにがなんでも漁師として守り抜いていく。
その覚悟ができている細間さんを誰だって応援したくなるし、
感動さえ覚えてしまいます。
エンジンを修理したものの
以前から気になっていた船のエンジンを修理していた。
「エンジン直したべ。200万円よ。」
大金を使ってエンジンを直したものの、
今シーズンの大間のマグロ漁は時化つづき。
どの漁師も釣果が上がらずに苦しんでいました。
細間さん自身も悪戦苦闘していました。
愛娘たちの成長
細間さんの背中を見ながら愛娘2人は立派に成長していた。
次女の心寧さんは14歳になり、誕生日にケーキを振舞っていましたね。
嬉しそうに頬張る細間さんがとても印象的でした。
北海道の看護学校へ入学した長女の愛華さんから、
ニット帽をプレゼントされていました。
「これを被って、海さ出るべ。」
「マグロでチャンピオン獲って!」
「あとは、マグロ獲るだけだな!」
なんともいえない涙ぐましい親子の掛け合いでした。
長女の半年ぶりの里帰り
長女が気づかされたこと
長女の愛華さんは、北海道の看護学校で下宿しながらの生活。
細間さんにできるだけ負担をかけないように、
お弁当に下宿先の残り物をおかずにしたり、
生活費は自身初のアルバイトで賄うというしっかり屋さん。
この時点で筆者は涙が止まりませんでした。
「こっち来て 一番感じたのは ありがたみを知った。親の。」
「親ってすごいな思った。仕事して、家事して。」
少し照れながらも細間さんへの想いを話す愛華さんが印象的でした。
長女からのおみやげ
試験休みで愛華さんが北海道から半年ぶりに里帰り。
この日ばかりは奮発してお肉たっぷりのすき焼きを親子で囲む。
細間さん曰く、3パックくらい入れちゃったとかで。
半年ぶり味わうパパの手料理に愛華さんもとても嬉しそうでしたね。
すき焼きで一家団欒しているなか、
愛華さんから細間さんに渡したものがありました。
「前期のテストの成績 あげる。」
「じゃい!(驚き) 1位だ 成績が・・・。」
「凄いな。がんばんねばねえべ! わいも。」
それは愛華さんが前期のテストで学年トップになった成績表でした。
娘に負けてはいられない、
そう強く思った細間さんが印象的でしたね。
マグロが居ないのなら
大間の本格的な冬が到来したころ、磯船に細間さんの姿が。
「なに獲ってきたんですか?」
「アワビ。」
「マグロ漁は?」
「マグロいねえもんだもん、こういうの獲んねばね。」
「(全部で)5000円か10000円だべ。」
今は釣れないマグロに一時的に見切りをつけて、
少しでも実入りがあるアワビ漁に切り替えていた。
愛娘を育てていく親としての当然の判断をされていました。
大間の漁師さん達はマグロが獲れないときには、
ブリやイカを狙ったり、コンブやアワビ漁をされています。
マグロが獲れないときにどう凌いでいくか、
それもまた漁師の器量なのかもしれません。
また時期や次のチャンスに備えて、
細間さんはまたマグロを狙いにいくんでしょうね。
細間さんの活躍をこれからも楽しみにしています。
ただ、くれぐれお酒は飲み過ぎないようにして下さいね。
2021年のやもめ漁師は?
開始早々に2本釣り!?
昨シーズンはマグロの釣果には恵まれなかった・・・。
大間全体でもマグロの釣果は下がりつつあった。
釣れても30キロほどの小物が多いシーズン。
細間さんも苦戦を強いられていた。
しかし、細間さんのターン直後、
開始早々に細間さんの仕掛けにマグロが喰らいつく。
いきなり小ぶりながらも2本のマグロを釣り上げた。
なかなか電気ショッカーが効かない場面もあったが、
冷静に粘り強く細間さんはマグロと格闘している。
29キロ、30キロと小ぶりではあるが、
1日2本の久々の釣果に今年の細間さんが違ってみえた。
しかし、大間にもコロナの影響があり、
この2本のマグロでも、
「2本で10万円ぐらいじゃねえ。」
「安すぎる。」
決して大手を振って喜べる状態ではなかった。
長女 愛華さんの苦闘
「思ってた 100倍くらい きつい。」
親元を離れて2年が経ち、
長女の愛華さんは北海道の看護専門学校へ通い、
看護師を目指している。
「本当にこの道で良かったのかなと・・・。」
「不安にはなる。」
愛華さんはお母さんが倒れていたときの状況を、
小さいながらも鮮明に覚えていた。
自分に医療の知識があれば・・・。
そんな思いから看護師を目指して今に至っている。
辞めたくなるような辛いときには、
その原点を思い返し、なんとか踏ん張っていると語っていた。
父だけでなく、長女も立派に戦っていた。
次女 心寧さんの夢
重なるピンチ
ソナーが故障してしまう。
なかなか大物のマグロの釣果に恵まれない日が続き、
マグロ漁に欠かせないソナーのモニターが突然ブラックアウトする。
これでは漁を続けられない。
ソナーなしにマグロの群れを追うのは至難業。
急な出費覚悟で修理を依頼することにした。
無論、船の燃料も無駄にはできない。
この日は仕方なく漁を切り上げざるを得なかった。
誕生日に次女と夕食
42歳の誕生日には次女の心寧さんが家で待っていた。
「誕生日くらい たまに贅沢するべ。」
肉が食べたいという心寧さんの要望に、
かなりの量の肉を買い込んできた、細間さん。
いつもは別々に暮らし生活しているだけに、
誕生日ということもあり、
二人にとっては大切な時間だった。
下着をプレゼントされて、笑顔がこぼれる細間さん。
このかけがえない時間がいつまでも続けば良いのに。
いち視聴者ながらに思った。
でも、もっと素晴らしいプレゼントが細間さんに用意されていたのだ。
次女の夢とは?
「私の将来の夢は 介護士になることだ。」
心寧さんは中学3年生になっていた。
亡き母と同じ介護士の仕事を目指していくという。
作文にその思いを綴り、発表会で読み上げていた。
発表会の様子を細間さんは携帯で撮影していた。
同時に母への思いも綴られていた。
「まだまだ一緒に話したいよ。」
倒れた当時の母への思いと心寧さんの行動に、
細間さんは耐えられず、涙があふれてきました。
「頼りねえ親だけど、
やりたい道にはなるべく行かせようと思うしな。」
「だからこそ マグロもあきらめねえんだ。」
「獲れなくても出るんだ 海さ。」
心寧さんも涙がこぼれていましたね。
父と娘が固い決意を誓い合った素敵な場面でした。
筆者も涙が止まりませんでした・・・。
「ワイを動かす燃料なんだで」
長女 愛華さんの成人式
久しぶりに細間さん一家が集まる。
長女の愛華さんが成人式のために、
北海道から戻ってくることに。
でも、コロナの影響によって成人式は行われず、
晴れ着で記念撮影をしている様子が放送されていました。
「綺麗だな・・・。」
成長していく娘たちを見て、
細間さんが思わず口にしてしまった言葉です。
二人とも細間さんによく似ているとずっと思っていましたが、
長女の愛華さんはだんだん、
亡くなられた奥様に似てきたように思えました。
娘たちの成長ぶりに亡き妻の面影が見えたのかもしれません。
「あいつらいねば 動かねえな」
「自分のためでねえだで
あいつらのために海さ出てんだで。」
細間さんの決意は今も変わらない、
ただただ、愛娘二人のためにマグロを獲るべし。
今日もひたすらマグロを追いかける。
「喰った!喰った!喰った!喰ったぞ!」
珍しく細間さんが連呼した。
細間さんの仕掛けにマグロがついに喰らいついたのだ。
久々の大物に違いない。
しっかり針を喰い込ませ、
テグスを逆に送り込みマグロを泳がせて、
疲労させていく。
ベテランの細間さんは無駄のない動きで、
マグロを手繰り寄せていく。
電気ショッカー投入で勝負あり。
失神したマグロの糸は一気に軽くなる。
釣り上げてみれば57キロの大物だった。
連絡をうけた次女の心寧ちゃんも港で待っていた。
テレビ電話で長女の愛華さんに実況中継する場面も。
やったぜ、細間さん!
今回も細間さんに海の神様は力を貸してくれた。
今年も涙なくしては見れない感動をいただきました。
これからも活躍を楽しみにしています。
2022年 やもめ漁師は・・・?
今シーズンも大間は不漁が続いていた
マグロのエサとなるサンマやイワシ、
イカなどが少ないため、マグロ自体が少ない。
漁師にとっては死活問題である。
魚が獲れなければ報酬は得られない。
まさに「釣れれば天国、釣れねば地獄」
何度聞いても説得力のあるワードだ。
そんな状況でも細間さんは地道に漁へ出ていた。
マグロ漁以外でもコツコツと
細間さんは船から太い鎖を海に投げ入れた。
鎖を海底に落として船を動かすことで、
コンブが生えるように雑草駆除ができるとのこと。
これは漁協組合の仕事のひとつであり、
一万円から2万円の報酬が得られるとか。
マグロがいなければ他の仕事で報酬を得る。
マグロ漁一本での生活は難しいことを痛感させられます。
細間さんだけでなく多くの船が、
雑草駆除の仕事をしていました。
それだけマグロが少ないことを表しています。
以前、小浜文雄さんがマグロ漁以外に、
コンブ漁やブリ漁をやっていたことを思い出しました。
「使えるものは拾ったほうがいいべ」
その後も粘るもマグロの釣果はなし。
一瞬、喰らいついた魚がいましたが、
マグロではなくシイラでした。
お金にならないため、その場でリリースします。
船の燃料代もかかるので、この日は諦めて寄港します。
すると、寄港寸前に海浮かんでいるロープを発見します。
まだまだ使えるようなので拾って再利用することにします。
「使えるものは拾ったほうがいいべ。」
「海の掃除だべ。」
なんて細間さんらしいセリフでした。
ただ、この日の釣果はロープのみでした。
細間さんが接骨院へ・・・?
揺れ動く船でのマグロとの格闘が、
細間さんの体に深刻なダメージを与えていました。
首の骨がずれてしまい、
漁に出られないほどの激痛が走ることがあるようです。
いかに過酷な現場なのか、思い知らされます。
週に2~3回も通院して、
月にすると1万2千円くらい治療代がかかってしまう。
首という大事な部分だけに、
今後のことや出費が不安なのは誰でも同じだろう。
細間さんの誕生日
細間さんの誕生日に娘たちからのプレゼント。
一人で寂しく自宅で晩酌しながら誕生日を迎えていると、
次女の心寧さんが訪ねてきました。
「私服が少ないから。」
「いつもと違う感じで。」
娘二人からのプレゼントは、
襟のついた長袖のワイシャツでした。
照れ臭いのか、細間さんはボタンを外さないまま、
強引に着ようとしていましたね。
「ありがとうございます。」
「や~ これ着てマグロ釣り 頑張るべ。」
満面の笑顔と気合を取り戻した細間さんでした。
長女 愛華さんの選択
長女愛華さんは脳神経外科病院の就職試験へ。
9年前に母をくも膜下出血で亡くしたことから、
脳半径科の勉強に特に力を入れていたようだ。
「もし、自分が気づけていたらって思いがあったから。」
とても真っ直ぐで純粋な気持ちが看護師を目指した理由だ。
学校からは就職先は総合病院を薦められているが、
母への思いと自分の葛藤から脳神経外科への道を選択するようだ。
レジェンド小浜との関係
師弟関係だった
細間さんにとって小浜さんは漁師の師匠でした。
筆者も放送開始当初からずっと応援していますが、
今回の放送ではじめてお二人の関係性を知りました。
20代で漁師駆け出しの細間さんは、
なかなかマグロの釣果に恵まれず、
苦しんでいた時期に小浜さんに相談していたようです。
そして、土下座までして、
あの伝説の「小浜スペシャル」を教えてもらった過去がありました。
漁師にとって自分が編み出した仕掛けは門外不出です。
他の漁師さんでもエサの仕掛けにはモザイクをかけるほどです。
「今から作るして これを見て覚えろ。」
「一回しか作かねえからな。」
息子、いや孫ほど離れている細間さんに特別な情がなければ、
教えることはなかったでしょう。
その後も小浜さんが巨大マグロと格闘しているとき、
細間さんが助け船で加勢するなど、
師弟関係はずっと続いていました。
小浜さんに助け船で誰か手伝っていたのは、
たしかに記憶があるのですが、
あの人が細間さんだったとは・・・。
伝説の「小浜スペシャル」で
「なんとか恩返ししたい。」
「助けられた。」
涙ながらに語る細間さんから、
師匠の小浜さんを思う気持ちが伝わってきました。
マグロを仕留めてこそ、師匠への恩返しだ。
また海へ出た細間さんの船の近くでマグロが跳ねる。
伝説の「小浜スペシャル」についに当たりが・・・!
「ふぅ、ややややや!」
マグロが小浜スペシャルに喰らいついたのだ。
一気に船上が慌ただしくなる。
マグロと細間さんの根競べの始まりだ。
ジリジリとゆっくりテグスを引いていく細間さん。
手応えからいかに相手が大きいか伝わってくるのだ。
勝負どころで電気ショッカーを投入するも、
なかなか効かない。テグスに絡まってしまうハプニング。
3度目の投入でようやく電気ショッカーが効いた。
よう海面に巨体の姿が浮かんでくる。
デカいデカい。
モリを急所に付いて、ようやく勝負がついた。
恩返しの1本
「伝説トビウオだべ。」
「みんなのおかけでだ。こうして獲れるのは。」
「自分一人の力でねえ。」
細間さんは必ず誰かに感謝することを忘れない。
だから応援したくなるのだ。
まず、師匠の小浜さんに感謝し、娘たちにも感謝し、
亡き妻にも感謝する。
マグロがデカすぎて巻上げ機が悲鳴を上げてしまうほど。
ゆっくりゆっくりとようやく船に着地させた。
196キロの大物だった。
コロナの影響もあり約80万円ほどらしいが、
充分に恩返しの1本となった。
愛華さんの報告
長女愛華さんから脳神経外科病院の面接合格の報告。
久しぶりに愛華さんが戻って来て、
細間さん両親に就職についての報告をしてましたね。
仏壇にしっかり報告する姿がなんともいえません・・・。
残すは国家試験ですが、
彼女なら当然に受かってしまうでしょうね。
細間さんは親戚を集めてささやかな宴会をやっていました。
節約している愛華さんにお腹いっぱい食べさせたい。
みんなが自然と笑顔になれる時間でしたね。
喜びもつかの間、愛華さんの奨学金返済の問題が・・・。
愛華さんが自分で返すという意志に、
細間さんは複雑な心中・・・。
これはまた、マグロで取り返すしかない・・・!
「狙うのはマグロ、一本だべ。」
「奇跡だじゃ、奇跡だ。」
意気揚々と海に出る細間さんに当たりが・・・!
いきなりかと思いきや喰いついたのは、シイラだった。
いつもリリースするのだが、この日はキープした。
それが後々功を奏した。
しばらくすると、海面でマグロの群れが乱舞している。
マグロはシイラの群れを追いかけている。
今日はトビウオでなく、キープしたシイラで仕掛けた。
「喰ったど!」
見事にキープしていたシイラを喰わせた。
ここからまた長い死闘が始まった。
テグスから伝わってくる相手の大きさを感じる。
しかし、今日の細間さんには余裕が感じられた。
焦らず長期戦を見越して水を飲んで一息入れていた。
焦って切られてしまえば、なんにもならない。
ゆっくり焦らず、慎重にテグスを手繰り寄せていく。
長い死闘がもうすぐ終わろうとしている・・・。
船に上げ切れないほど巨大マグロ、233キロ。
細間さん自身、10年ぶりの200キロ超え。
「奇跡だ。」
と連呼する細間さんでしたが、
自らシイラをキープするという好判断が起こした奇跡。
「凄腕漁師」ならではの経験でしょう。
やったぜ、細間さん!
また、娘さん達の笑顔、奥さんの笑顔、
小浜さんの笑顔が浮かんできますね。
2023年のやもめ漁師は・・・?
長女愛華さんの卒業式から就職へ
感動の卒業式から始まった。
娘の晴れ舞台にスーツ姿で駆けつけた細間さんが居ました。
この日のために、奮発してスーツを買ったのだと。
長女愛華さんが卒業生代表として、
読み上げた感謝の手紙がとても感動的でした。
「お父さん、おばあちゃん おじいちゃん、
中学生のとき 絶望の淵に立たされたあの日から、
今まで私を育ててくれてありがとう。」
「お母さんが居ない現実を受け入れることができず、
八つ当たりばかりして、言う人ことをちっとも聞かず、
迷惑をかけっぱなしの日々だったけれど、
家族の支えがなければ、
一人では生きてこられませんでした。
それは私だけではなく、
ここにいるみんなも同じです。
私たちにとって家族はとても大切な存在であり、
1番の味方です。
3年間本当にありがとうございました。」
涙をこらえながら読み切った愛華さんの姿と、
「めっちゃ泣いた」という細間さんの感想が、
こちらにまでうつって泣いてしまいました。
愛華さんの新生活
愛華さんは新生活を始めていた。
学生時代の下宿先から新居へお引越し。
家賃は4万3千円。
下宿先の家具や家電は備え付けであったため、
生活に必要な家具や家電は買い揃える必要があった。
「お父さんが全部買ってくれました。」
合計で30万円ほどかかってしまったようだ。
「しゃあねえべ。」
痛い出費ながらも父親の大きな背中に、
愛華さんはいろんなものを感じとったのではないでしょうか?
コンブ漁でコツコツと・・・
今シーズンも大間はマグロが少ない。
近年の大間はマグロが少なくなってきている。
マグロ漁の達人たちも「運」という言葉をよく使うように。
多くのマグロ漁師、細間さんも苦戦を強いられてた。
マグロが獲れなくても漁に出れば、
燃料代などの経費は必ずかかってしまう。
碇のような器具を船から海底へ下ろして、
コンブ漁に励んでいた。
地面いっぱいにコンプを干していたが、
実際は1万円ほどにしかならないという。
また、船を陸から上げて船底の掃除や、
ペンキ塗りなどを行っていた。
船を陸から上げるだけでもお金はかかってしまう。
この年は、一人で44歳の誕生日を過ごしていた。
「突き進むしかねえべや」
「なんてもかんでも金だべ」
久しぶりの一家団欒でバーベキュー。
長女愛華さんが久しぶりに実家に帰ってきた。
父の日のプレゼントに財布をあげていましたね。
亡き母の墓参りを済ませて、
看護師になれたことを報告していました。
「原点はここ(母)だから頑張るしかない。」
久々の細間さん一家の団欒。
愛華さんの希望でバーベキューをすることに。
12月には次女心寧さんの修学旅行も控えていた。
長女愛華さんも奨学金を返すため、
看護師として歩み出している。
「突き進むしかねえべや。」
独りになったときに細間さんの一言に、
とても大きなものを感じました。
マグロさえ獲れればすべてが変わるのに・・・。
俺に力を貸してくれ
師匠の仕掛け伝説の「小浜スペシャル」で再度挑む。
細間さんが若いときに、
マグロの釣果が上がらず、駆け込んだ師匠の家。
それが小浜文雄さんでした。
漁師にとって門外不出の仕掛けを教えてくれた。
今年も何度か「小浜スペシャル」を試していたが、
この日は違った。
ついに「小浜スペシャル」にマグロが喰いついた。
「喰ったじゃ!」
一気に慌ただしくなる船の上で、
ついに細間さんとマグロの格闘が始まった。
「あきらめねえで頑張ってれば」
大きいマグロを獲る夢を見ていた・・・?
細間さんはゆっくり丁寧にテグスを手繰り寄せていく。
不思議と焦りはない。
テグスから伝わってくるマグロの大きさ。
娘たちのため、漁師としての自分のためにも、
ここは絶対に逃してはならない。
マグロと細間さんの長い体力の削り合いが続いていく。
マグロの引きが弱くなったとき、
細間さんは一気に勝負に出た。
釣り上げてみればなんと194キロの立派なマグロ。
自然と細間さんから笑顔もこぼれる。
「2、3日前にマグロ獲った夢見た。
トビウオで喰わせた夢見たの、大きいの。」
興奮気味に語る細間さん。
夢が現実になったわけだ。
「神様も亡くなった嫁さんも見てるべど。
毎年頑張ってれば良いことある。
あきらめねえで頑張ってれば。」
受け継いだ師匠の技術、細間さんの覚悟、
娘さんたちの祈り、亡くなった奥様の力、
などたくさんの力がまた細間さんを助けてくれたんですね。
やったぜ、細間さん!
来年もまた楽しみに期待しています。
細間さん本人から連絡が・・・?
2020年末に細間正樹さん、
本人からと思われるメールをいただきました。
内容は「応援してくれる人に感謝です。」
「ありがとうございます。」
という感じでしたが、とても嬉しかったですよ。
こちらこそ、本当にありがとうございます。
細間さんを毎回見るたびに、勇気と感動をもらっています。
とても素敵なご家族ですので、
もっと世の中の人に知ってもらえば、
今よりももっと応援されていくでしょうからね。
こんな時代だからこそ、
なにが大切なのか教えてもらった。
今はコロナもあってか、誰も不安を募らせています。
そういうときこそ、本当に大切なものはなにか?
筆者は細間さん一家を見て教えてもらった気がしますね。
また、自分より全然頑張っている人達がいることもです。
これからも同世代として、
細間さん一家を応援していきます。
みなさんもぜひ一緒に応援していきましょう。
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少しでも参考になれたら嬉しく思います。
ここまでお読みくださり本当にありがとうございます。
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